トップ > 市政情報 > 市の紹介 > 歴史・文化 > 矢(や)の根石(ねいし) (小平市の昔話)

矢(や)の根石(ねいし) (小平市の昔話)

更新日: 2007年(平成19年)9月27日  作成部署:企画政策部 秘書広報課

  • ツイートする
  • Facebookでシェアする
  • LINEで送る
おばあちゃんのイラスト

矢(や)の根石(ねいし)


 わたしがまだ小さかったころは、小平はほとんどが畑と雑木林だったんだよ。この辺りの土はさらさらで、石が混じっていることなんてほとんどないんだけど、たまに三角の小さな石が落ちていたの。それが、大人の親指の先ぐらいの本当に小さくて、うすべったい石なの。


 おじいさんは、「これは矢(や)の根石(ねいし)だよ。小平は古戦場だったから、そういうものが落ちているんだ。鍬(くわ)の刃が欠けたら大変だ」と言って、畑の隅にすぐ捨ててしまったんだけどね。


 矢の根石は、矢の先につける石(矢じり)のことなんだよ。何百年も前、新田義貞というお侍が鎌倉幕府を攻めるときに、この辺りを通って行ったそうだよ。新田義貞は途中でいろいろな戦いをして、国分寺にあった武蔵国分寺も、焼き打ちしてしまったんだって。矢の根石はその時のものだよって、言われたから、わたしは何十年も信じていたんだけど、それが間違いだってわかって驚いたんだよ。


 鈴木遺跡資料館へ行ったら、矢の根石と同じものがあってね。そこで教えてもらったんだけど、石の矢じりを使っていたのは石器時代で、新田義貞のころは、もう金属の矢じりだったそうだよ。だから矢の根石は4千年も5千年も前のものなんだってね。石器時代の人がこの辺りで狩りをして、放った弓矢の先なんだって。


 資料館には大昔の石器もあって、獲物の皮をはいだり、切ったりするのに使ったんだってね。そういえば、畑の中から、そんな石も出てきたことがあったよ。その時は、ただの石ころだと思ったけど石器だったのかもしれないね。


 小平では大根をたくさん作っていてね。石が土の中にあると、大根が大きくなるときに当たって、二またや三またになったりするんだよ。そうなると売れないし、硬くなって味も悪いんだよ。それでそんな石はみんな、畑の隅に捨ててしまったの。


 石を捨てた辺りには家がたくさん建ってしまったから、もうとっくに無くなってしまったよね。残念なことをしたよ。

矢の根石のイラスト

お問合せ先

〒187-8701 
小平市小川町2-1333 市役所3階

秘書広報課広報担当

電話:042-346-9505

FAX:042-346-9507

このページの情報は役に立ちましたか?
このページは見つけやすかったですか?

よりよいコンテンツ作成のための参考とさせていただきます

検索したい文言を入力してください

ページトップに戻る