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洋服・繕(つくろ)い物 (小平市の昔話)

更新日: 2008年(平成20年)1月9日  作成部署:企画政策部 秘書広報課

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繕い物をするイラスト

今は必要な物は何でもすぐに買えるけど、昔は着る物も食べる物も、

自分で作らなければならなかったの。

私が若かった頃、50年も60年も前は、洋服より着物を着ることが多かったんだよ。

だから私らも、普段に着る着物や浴衣は手で縫(ぬ)うし、洋服も生(きじ)を買ってきて、

家(うち)でミシンで縫(ぬ)ったの。

まちですてきな洋服を着ている人を見かけると、デザインを覚えておいて、

似たような生地を買ってまねて作ったりしてね。

もちろん自分で作るから、そんなにうまくは出来ないし、

手間もかかるけど、出来上がったときは本当にうれしかったよ。

子どもたちの下着もキャラコの布を必要なだけ買ってきて縫織(ぬ)うの。

キャラコというのは木綿の平(ひらお)りの布だよ。下着は肌に直接着るものだから、

縫(ぬ)い目が当たって痛くないように、なるべく平らになるような縫(ぬ)い方を工夫したね。

服も下着もいつでも作るわけじゃなくて、子どもたちがお正月や新学期なんかの

特別のときに着られるように、新しい物を用意したの。

それで新しいうちはよそゆきにするんだけど、古くなってくると普段着にしたんだよ。

昔はお兄さんやお姉さんの小さくなった服を弟や妹が着ることが当たり前だったの。

お下がりの服は、大きすぎると、すそを上げたり、肩のところでつまんで縫(ぬ)ったりしてね。

体に合っていなくて不格好なんだけど、みんながそうだから、子どもたちも平気だったね。

お下がりは、いろいろなところが傷んでいて、すぐにすり切れて、穴があいてしまうの。

だから夜なべ仕事に、夕飯の片づけが済むと、毎晩のように繕(つくろ)ったもんだよ。

肘布(ひじ)や膝(ひざ)が当たるところは、特に穴があきやすいから、

初めに別(べつぬの)を下からあてがって縫(ぬ)うんだよ。

虫に食われて穴があいてしまったところなんかは、

フェルトをかわいらしい形にしてアップリケにすると、子どもが喜んだね。

私がたまに昼間に針仕事(はりしごと)をしていると、子どもたちも針を持って、

いっしょにお人形さんの簡単な洋服を作ったりしていたよ。それで小学校高学年にもなると、

繕(つくろ)い物も自分でするようになったんだよ。

服だけじゃなくて、足袋(たび)や靴下も縫(ぬ)うんだよ。今では、靴下に穴があくと、

すぐ捨ててしまうけど、昔は糸でかがって履いたの。かかとや指先、親指の付け根辺りに

よく穴があいてね。指先はつまんで縫(ぬ)ってしまうんだけど、かかとや親指の付け根のところは、

靴下の中に電球を入れて、繕(つくろ)ったんだよ。そうすると縫(ぬ)いやすいの。

繕(つくろ)った靴下は縫(ぬ)い目が足に当たって、ごろごろして痛いんだけど、

穴があくたびに繕(つくろ)って、履いたもんだよ。


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小平市小川町2-1333 市役所3階

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FAX:042-346-9507

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