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市報こだいら:2017年1月1日号 8面(抜粋記事)

更新日: 2017年(平成29年)1月4日  作成部署:企画政策部 秘書広報課

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こだいらちょっとむかし

あけましておめでとうございます。

新年恒例の「こだいらちょっとむかし」。

今年は四季の子どもの遊びをタマおばあさんに語ってもらいました。

パソコンやゲームがなかった時代、子どもたちは家の手伝いをしながら、自然とふれあい、工夫して、楽しんでいました。


家のまわりや道ばたに、いろいろな花が咲きだすと、おままごと遊びをするのが楽しみだったの。

庭にむしろを敷いて、アカマンマや白い花をご飯にして、青い木の実や小さな葉をおかずにしたの。

空き缶や大きな葉に盛ってね。

そのころは農作業が忙しいから、みんな弟や妹の子守りをまかされたの。

小さな子に「ちゃんとおすわりをしてお行儀よく食べなさい。おいしいですか」なんて、私も大きくなったら、お母さん役をやりたいと思ったよ。

学校の帰りには、よく寄り道をしたの。四つ葉のクローバーは、幸せになれるっていわれていたから、夢中で探したもんだね。

クローバーの白い花で首飾りや腕輪、髪飾りなんかをいろいろ作って遊んだの。

それからチガヤの穂(ほ)をガムのようにかんだり、ツツジの花の蜜(みつ)を吸ったり、酸(す)っぱいスカンポ(イタドリ)の茎(くき)をかじったりしたよ。

黒く熟した桑(くわ)の実は甘酸(あまず)っぱくておいしかったけど、口の中が黒くなるんで、家の人にすぐばれちゃうんだよね。

雑木林が芽吹(めぶ)くころになると、ヒバリが麦畑の中に巣を作るの。

それでヒバリが飛びたったり、降りたりする場所を見て、麦畑の中をかけずりまわって巣を探すんだよ。

でもヒバリはかしこくて、巣から離れた場所で降りるから、なかなか見つけられなかったね。

木の上に巣を作る小鳥もいてね、そうっとひなを持ち帰ったこともあったの。餌(えさ)やりがたいへんだったけど、よく慣れてとてもかわいかったんだよ。

でもシジュウカラは捕ると叱られたの。財布が「しじゅう空」になるよっていわれてね。


夏になるとね、よく水鉄砲で遊んだよ。

みんな、自分で作ったんだよ。どこの家にも竹やぶがあったから、その竹を使って作ったの。

竹をひと節(ふし)残して切り取って、キリで節のまん中に小さな穴を開けるの。

それから筒(つつ)より細い棒の先にボロ布をきつく巻いて、始めに作っておいた竹の筒(つつ)に入れるんだよ。

水の入ったバケツの中で棒を引くと筒の中に水が吸い込まれてたまるの。

それを棒で押し出すと、水が勢いよく飛び出すんだよ。

小さいころは大きな子に作ってもらっていたけど、そのうち見よう見まねで自分で作れるようになるんだよ。

みんなで、水を掛け合ってみたり、水をどれだけ遠くに飛ばすことができるのかを競争したりしたね。

シャボン玉も楽しかったよ。

せっけんを削って、水やお湯に溶かして、せっけん水を作るの。麦わらで吹いて遊んだね。

大きくて割れにくいシャボン玉を作ろうと、松やにを入れたり、砂糖を混ぜたり、いろいろと工夫をして遊んだもんだよ。

昔は家の庭先にきれいな用水が流れていてね、よく水遊びをしたよ。

夏の夜には、用水近くの草っ原にホタルがたくさん飛び交って、それはそれはきれいだったの。

ほうきや笹でそうっとはらうようにすると、ホタルがくっついてくるんだよ。

それをとって、麦わらで作ったかごに入れて、家に持って帰るの。それを暗い部屋に放して楽しんだんだよ。

旧暦の八月十五日には、お月見をしたんだよ。

その晩には満月になるからね。

九月十五日に決めてやっている家もあったけどね。

子どもたちは、満月を眺めながら、うさぎが餅をついているって、喜んだもんだよ。

お月様がよく見える縁側(えんがわ)なんかに、すすきとお団子をお供えするの。

お団子は十五個、すすきは一升瓶(いっしょうびん)や大きなとっくりに十五本か五本入れるんだよ。

お月様には丸いものをあげるといいって、ぼた餅を作ったり、梨やあめ玉なんかもあげたね。

丸くはないけど、畑でとれたさつまいもや里芋もゆでてあげたよ。

お月様にあげたものは、だれでももらっていいことになっていて、それをもらい歩くのが、とっても楽しみだったの。

近所の子どもたちで集まって、表の広い通りじゃなくて、裏道を通って行くの。

お供えの前で、「あがったかい」と声をかけて、家の人が「さがったよ」と返事をくれたら、供えたものをもらっていいんだよ。

もし「まぁだだよ」という返事だったら、その家のお供えはもらわないの。

お菓子を用意して待ってくれている家もあったね。

持っていった袋に、もらったぼた餅もあめ玉も一緒に入れるから、中でぐちゃぐちゃになっちゃう。

でも今のようにお菓子をたくさん食べられる時代じゃないから、うれしかったよ。

「片月見はいけない」と言って、十月に十三夜をする家もあったよ。

すすきは十三本か三本で、同じようにお供えをしたね。

その頃には栗(くり)ができるんで、それもゆでてあげたの。

十五夜には芋をあげるんで、十五夜を芋名月、十三夜を栗名月なんて呼ぶ人もいたよ。


昔は、このあたりは畑が多くて、高い建物なんてないから、空気の澄んでいる冬は、富士山がくっきりときれいに見えたの。

今よりずっと寒かったから、朝はわざと霜柱(しもばしら)のできているところを歩いて霜柱を倒したり、水たまりに張った氷を割ったりしながら、学校へ行ったもんだよ。

休み時間は北風がピューピュー吹いてるなか、おしくらまんじゅう、馬とび、うずまき(陣取り)や大なわとびをよくやったよ。

体を動かすと、体が温まるからね。

風があたらない壁際で、親指と人差し指の間にかけたハンケチを引き抜くハンケチ取りもおもしろかったよ。

学校から帰っても、冬場は農作業がひまだったから、子どもたちの手伝いも少なくて、みんなでよく遊んだね。


タマおばあさんのお話はいかがでしたか。感想をどうぞお寄せください。


協力

小平民話の会

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