○小平市福祉のまちづくり条例

平成9年

条例第2号

目次

前文

第1章 総則(第1条―第7条)

第2章 施策の推進

第1節 基本的施策(第8条―第12条)

第2節 情報の共有化のための取組(第13条)

第3節 都市施設の整備(第14条―第16条)

第4節 特定都市施設の整備(第17条―第24条)

第5節 車両、住宅等(第25条―第27条)

第3章 雑則(第28条・第29条)

附則

「いつまでもこのまちに住み続けたい」「幸せに暮らしたい」という思いは、すべての小平市民の願いである。

今日まで、小平市の福祉のまちづくりは、「老人のための明るいまち」のモデル都市、「障害者福祉都市」「健康文化都市」の指定など多くの福祉施策と、市民のたゆまぬ熱意と努力により推進されてきた。

しかしながら、到来する高齢社会に、だれもが住み慣れた地域社会で生活し続けて行くためには、今後さらに、福祉の視点に立った都市の形成と心の通い合った豊かなまちを築くことが必要である。

わたしたちは、このまちに生活するすべての市民がお互いの人間性を認め合い、支え合い、一人の市民として自覚して生活していくことを基本にするとともに、福祉に配慮した「共に生きるまち小平」を実現させるという新たな認識に立ちたいと思う。

わたしたちは、ハードとソフトの両面にわたり調和したユニバーサルデザインの理念に立って、ここに、21世紀にいきいきと笑顔で活動できるやさしい地域社会の構築を目指し、この条例を制定する。

第1章 総則

(目的)

第1条 この条例は、福祉のまちづくりに関し、市、事業者及び市民(以下「すべての市民」という。)の責務を明らかにするとともに、福祉のまちづくりの行動指針に沿い、福祉のまちづくりに関する施策の基本的な事項を定めることにより、すべての市民が相互に協働して福祉のまちづくりを推進し、もって高齢者や障害者を含めたすべての人(高齢者、障害者、子ども、外国人、妊産婦、傷病者その他の年齢、個人の能力、生活状況等の異なるすべての人をいう。以下同じ。)が安全で、安心して、かつ、快適に暮らし、又は訪れることができる社会の実現を図ることを目的とする。

(行動指針)

第2条 前条に規定する福祉のまちづくりの行動指針は、次に掲げるものとする。

(1) すべての市民は、生涯を通じて自らの尊厳を保ちながら、相互の尊厳を認め合う市民の一人として自立していくよう努めなければならない。

(2) すべての市民は、社会連帯の理念の高揚に努め、共に助け合って、心豊かに暮らせる地域社会を実現し、定着するよう努めなければならない。

(3) すべての市民は、地域で発生する諸問題に積極的にかかわり合いを持ち、その解決に自発的に参加し、連帯して地域づくりに努めなければならない。

(4) すべての市民は、優しい心で身近なところから協働して手作りのまちづくりをするよう努めなければならない。

(5) すべての市民は、自らの意思で安全かつ自由に行動ができ、安心して生活できる地域環境整備の推進に努めなければならない。

(定義)

第3条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。

(1) ユニバーサルデザイン 年齢、性別、国籍、個人の能力等にかかわらず、できるだけ多くの人が利用できるよう生活環境その他の環境を作り上げることをいう。

(2) 福祉のまちづくり ユニバーサルデザインの理念に基づき、高齢者や障害者を含めたすべての人が、安全で、安心して、かつ、快適に暮らし、又は訪れることができるまちづくりを推進するための取組をいう。

(3) 都市施設 病院、図書館、飲食店、ホテル、劇場、物品販売業を営む店舗、共同住宅、車両等(鉄道の車両、自動車その他の旅客の運送の用に供する機器で規則で定めるものをいう。以下同じ。)の停車場を構成する施設、道路、公園その他の多数の者が利用する施設で規則で定めるものをいう。

(4) 整備基準 都市施設を高齢者や障害者を含めたすべての人が円滑に利用できるようにするための措置に関し、都市施設を所有し、又は管理する者の判断の基準となるべき事項として規則で定める事項をいう。

(市の責務)

第4条 市は、事業者及び市民の参加と協力の下に、福祉のまちづくりに関する基本的かつ総合的な施策を策定し、及び実施する責務を有する。

2 市は、福祉のまちづくりに関する施策に、事業者及び市民の意見を反映することができるよう必要な措置を講ずるものとする。

3 市は、事業者及び市民の福祉のまちづくりに関する活動に対し、これらの者の福祉のまちづくりを推進する上で果たす役割の重要性にかんがみ、必要に応じて支援及び協力を行うよう努めるものとする。

(事業者の責務)

第5条 事業者は、その事業活動に関し、その所有し、又は管理する施設及び物品並びに提供するサービスについて、自ら福祉のまちづくりに努めるとともに、他の事業者と協力して福祉のまちづくりを推進する責務を有する。

2 事業者は、市がこの条例に基づき実施する福祉のまちづくりに関する施策に協力するよう努めなければならない。

3 事業者は、その事業の実施に当たり、高齢者や障害者を含めたすべての人の施設、物品又はサービスの円滑な利用を妨げないよう努めなければならない。

(市民の責務)

第6条 市民は、福祉のまちづくりについて理解を深め、自ら福祉のまちづくりに努めるとともに、相互に協力して福祉のまちづくりを推進する責務を有する。

2 市民は、市がこの条例に基づき実施する福祉のまちづくりに関する施策に協力するよう努めなければならない。

3 市民は、高齢者や障害者を含めたすべての人の施設、物品又はサービスの円滑な利用を妨げないよう努めなければならない。

(福祉のまちづくりの総合的推進)

第7条 市は、福祉のまちづくりが総合的かつ効果的に推進されることの重要性にかんがみ、事業者及び市民並びに東京都と相互に有機的な連携を図ることができるよう努めるものとする。

第2章 施策の推進

第1節 基本的施策

(計画の策定)

第8条 市長は、福祉のまちづくりに関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るための基本となる計画(以下「推進計画」という。)を策定するものとする。

2 推進計画は、次に掲げる事項について定めるものとする。

(1) 福祉のまちづくりに関する目標

(2) 福祉のまちづくりに関する施策の方向

(3) 前2号に掲げるもののほか、福祉のまちづくりに関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るための重要事項

3 市長は、推進計画の策定に当たり、事業者及び市民の意見を聴くとともに、福祉のまちづくりに関する施策の評価を行い、その結果を推進計画に反映させるものとする。

4 市長は、推進計画を定め、又は変更したときは、遅滞なく、これを明らかにするものとする。

(教育及び学習の振興等)

第9条 市は、福祉のまちづくりに関する教育及び学習の振興並びに広報活動の充実により、福祉のまちづくりに関して、事業者及び市民が理解を深めるとともに、これらの者の自発的な活動が促進されるよう努めるものとする。

(情報の提供)

第10条 市は、前条の福祉のまちづくりに関する事業者及び市民の理解の深化及び自発的な活動の促進に資するため、福祉のまちづくりの状況その他の福祉のまちづくりに関する必要な情報を適切に提供するものとする。

(表彰)

第11条 市長は、福祉のまちづくりの推進に関して著しい功績のあった者に対して、表彰を行うことができる。

(福祉のまちづくり推進協議会)

第12条 市の福祉のまちづくりの推進に関する基本的事項について調査及び審議するため、市長の附属機関として、小平市福祉のまちづくり推進協議会(以下「協議会」という。)を置く。

2 協議会は、次に掲げる事項について市長の諮問に応じ調査審議するとともに建議することができる。

(1) 推進計画に関する事項

(2) 前号に掲げるもののほか、福祉のまちづくりの推進に関する基本的事項

3 協議会は、事業者、市民、学識経験を有する者及び関係行政機関の職員のうちから、市長が任命する委員20人以内をもって組織する。

4 委員の任期は、2年とし、補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。ただし、再任を妨げない。

5 前各項に定めるもののほか、協議会の組織及び運営に関し必要な事項は、規則で定める。

第2節 情報の共有化のための取組

第13条 事業者は、高齢者や障害者を含めたすべての人が、その所有し、又は管理する施設、物品若しくはサービスを円滑に利用するために必要かつ有益な情報(以下「必要とされる情報」という。)を適時に、かつ、適切に入手できるようにするため、必要とされる情報を自ら把握し、適切に提供するほか、必要な措置を講ずるよう努めなければならない。

第3節 都市施設の整備

(整備基準への適合努力義務)

第14条 都市施設を所有し、又は管理する者(以下「施設所有者等」という。)は、当該都市施設を整備基準に適合させるための措置を講ずるよう努めなければならない。

2 整備基準は、次に掲げる事項について、都市施設の種類及び規模に応じて定めるものとする。

(1) 出入口の構造に関する事項

(2) 廊下及び階段の構造並びにエレベーターの設置に関する事項

(3) 車いすで利用できる便所及び駐車場に関する事項

(4) 案内標示及び視覚障害者誘導用ブロックの設置に関する事項

(5) 歩道及び公園の園路の構造に関する事項

(6) 前各号に掲げるもののほか、都市施設を円滑に利用できるようにするために必要な基幹的事項

3 施設所有者等は、高齢者や障害者を含めたすべての人が円滑に施設間を移動することができるようにするため、他の施設所有者等との連携を図り、自ら所有し、又は管理する都市施設とその周辺の都市施設とを一体的に整備するよう努めなければならない。

(整備基準適合証の交付)

第15条 施設所有者等は、都市施設を整備基準に適合させているときは、規則で定めるところにより、市長に対し、整備基準に適合していることを証する証票(以下「整備基準適合証」という。)の交付を請求することができる。

2 市長は、前項の請求があった場合において、当該都市施設が整備基準に適合していると認めるときは、規則で定めるところにより、当該施設所有者等に対し、整備基準適合証を交付するものとする。

(市の施設の先導的整備等)

第16条 市は、自ら設置する都市施設が整備基準に適合するよう率先して整備に努めるものとする。

2 市長は、国、東京都その他規則で定める公共的団体(以下「国等」という。)に対し、これらが設置する都市施設が整備基準に適合するよう率先して努めることを要請するものとする。

第4節 特定都市施設の整備

(整備基準の遵守)

第17条 都市施設で規則で定める種類及び規模のもの(以下「特定都市施設」という。)の新設又は改修(建築物については、増築、改築、大規模の修繕、大規模の模様替え又は用途変更(用途を変更して特定都市施設にする場合に限る。)をいう。以下同じ。)をしようとする者(以下「特定整備主」という。)は、整備基準のうち特に守るべき基準として規則で定めるものを遵守するための措置を講じなければならない。

2 特定都市施設を所有し、又は管理する者(第20条第1項に規定する既存特定都市施設所有者等を除く。)は、前項に規定する基準を遵守しなければならない。

(届出)

第18条 特定整備主は、第14条第2項各号に掲げる事項について、規則で定めるところにより、工事に着手する前に市長に届け出なければならない。ただし、法令又は東京都の条例により、整備基準に適合させるための措置と同等以上の措置を講ずることとなるよう定めている事項については、この限りでない。

2 前項の規定による届出をした者は、当該届出の内容の変更(規則で定める軽微な変更を除く。)をするときは、当該変更をする事項について、規則で定めるところにより、当該事項に係る部分の当該変更後の内容の工事を着手する前に市長に届け出なければならない。

(指導及び助言)

第19条 市長は、特定整備主に対し、その特定都市施設(工事中のものを含む。以下同じ。)について第14条第1項及び第3項並びに第17条第1項に規定する措置の適確な実施を確保するため必要があると認めるときは、整備基準を勘案して特定都市施設の設計及び施工に係る事項について必要な指導及び助言をすることができる。

(既存特定都市施設の状況の把握等)

第20条 この節の規定の施行の際現に存する特定都市施設(以下「既存特定都市施設」という。)を所有し、又は管理している者(以下「既存特定都市施設所有者等」という。)は、当該既存特定都市施設を整備基準に適合させるための措置の状況の把握に努めなければならない。

2 市長は、前条に定めるもののほか、既存特定都市施設所有者等に対し、既存特定都市施設について前項に規定する措置の適確な実施を確保するため特に必要があると認めるときは、当該既存特定都市施設の整備基準への適合状況を勘案し、必要な措置を講ずるよう指導及び助言をすることができる。

(報告の徴収)

第21条 市長は、特定整備主又は特定都市施設を所有し、若しくは管理する者(以下「特定整備主等」という。)に対し、規則で定めるところにより、第19条及び前条第2項の規定の施行に必要な限度において、当該特定都市施設に係る第17条の規定の遵守の状況及び整備基準への適合状況について、報告を求めることができる。

(勧告)

第22条 市長は、第18条の規定による届出を行わずに同条に規定する工事に着手した者に対して、当該届出を行うよう勧告することができる。

2 市長は、特定整備主等が、正当な理由なく、第17条の規定に違反していると認めるとき、又は特定整備主等の特定都市施設の新設若しくは改修に伴って講ずる第14条第1項の規定に基づく措置が、正当な理由なく、整備基準に照らして著しく不十分であると認めるときは、規則で定めるところにより、当該特定整備主等に対し、必要な措置を講ずることを勧告することができる。

(公表)

第23条 市長は、前条の規定による勧告を受けた者が正当な理由なく当該勧告に従わなかったときは、その旨を公表することができる。

2 市長は、前項の公表をしようとする場合は、前条の規定による勧告を受けた者に対し、意見を述べ、証拠を提示する機会を与えるものとする。

(特定都市施設に関する調査)

第24条 市長は、第19条第20条第2項第22条及び前条第1項の規定の施行に必要な限度において、その職員に、特定整備主等の同意を得て、特定都市施設に立ち入り、第17条の規定の遵守の状況及び整備基準への適合状況について調査させることができる。

2 前項の規定による調査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、特定整備主等その他の関係人に提示しなければならない。

第5節 車両、住宅等

(車両等の整備)

第25条 車両等を所有し、又は管理する者は、当該車両等について、高齢者や障害者を含めたすべての人が円滑に利用できるようにするための整備に努めなければならない。

(住宅の供給)

第26条 住宅を供給する事業者は、高齢者や障害者を含めたすべての人が円滑に利用できるようにするために配慮された住宅の供給に努めなければならない。

(福祉用具等の品質の向上等)

第27条 福祉用具を製造し、販売し、又は賃貸する事業者は、高齢者又は障害者で日常生活又は社会生活に身体の機能上の制限を受けるものその他日常生活又は社会生活に身体の機能上の制限を受ける者(以下「高齢者、障害者等」という。)の心身の特性及び置かれている環境を踏まえ、高齢者、障害者等が円滑に利用できるよう当該福祉用具の品質の向上、情報の提供その他必要な措置を講ずるよう努めなければならない。

2 前項に定めるもののほか、食器、家具、電化製品その他の日常生活で利用する物品を製造し、販売し、又は賃貸する事業者は、高齢者や障害者を含めたすべての人が円滑に利用できるようこれらの物品の使いやすさの向上、情報の提供その他必要な措置を講ずるよう努めなければならない。

第3章 雑則

(国等に関する特例)

第28条 国等については、第18条から第24条までの規定は、適用しない。

2 市長は、国等に対し、特定都市施設の整備基準への適合状況その他必要と認める事項について報告を求めることができる。

(委任)

第29条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行について必要な事項は、規則で定める。

附 則(平成9年3月21日・平成9年条例第2号)

(施行期日)

1 この条例は、平成9年4月1日から施行する。

(小平市特別職の職員で非常勤のものの報酬及び費用弁償に関する条例の一部改正)

2 小平市特別職の職員で非常勤のものの報酬及び費用弁償に関する条例(昭和31年条例第9号)の一部を次のように改正する。

〔次のよう〕略

附 則(平成13年3月22日・平成13年条例第8号)

この条例は、平成13年4月1日から施行する。

附 則(平成21年9月30日・平成21年条例第20号)

(施行期日)

1 この条例は、平成21年10月1日(以下「施行日」という。)から施行する。

(経過措置)

2 この条例による改正後の小平市福祉のまちづくり条例(以下「改正後の条例」という。)第17条の規定は、施行日以後に改正後の条例第18条の規定による届出をした者について適用する。

小平市福祉のまちづくり条例

平成9年 条例第2号

(平成21年10月1日施行)

体系情報
第7編 生/第1章 社会福祉
沿革情報
平成9年 条例第2号
平成13年 条例第8号
平成21年9月30日 条例第20号