○こだいら21世紀構想―小平市第三次長期総合計画基本構想―
平成17年9月30日
議決
第1章 基本的な理念
私たちは、住み、働き、学び、訪れる、この「こだいら」がとても好きです。
この「こだいら」が、これからも、住む価値を持ち、働く価値を持ち、学ぶ価値を持ち、訪れる価値を持ち続けるまちであるためには、「こだいら」がいい表情(かお)を持ち、いい郷(さと)であり続け、そしていい明日(あした)を予感させるまちであり続けることが必要です。
「こだいら」に住み、働き、学び、そして訪れる人々も含め、多くの人々が、共通のふるさととして愛着を持ってこの地にかかわり続けたいまち、いつまでも平和であるまち、そのようなまち「こだいら」を創り上げるために、私たちは、
みんなが「いい表情(かお)を持つ」こと
この地が「いい郷(さと)であり続ける」こと
そして「いい明日(あした)を予感させる」こと
の3つを、これから新世紀を歩むための基本構想の基本的な理念とします。
そして、この基本理念にもとづき、次のとおり将来都市像を定めます。
「いい表情(かお)を持つ」
「いい表情(かお)を持つ」とは、だれもが心を通わせあい、みんながあいさつをかわしながら、自信に満ちた笑顔があふれることです。そして、訪れる人々が親しみを感じ、だれもがお互いに支えあい、かかわりあいながら、これからも「こだいら」を、もっと知りたくなるような「いい表情(かお)」を持ち続けることです。
「いい郷(さと)であり続ける」
「いい郷(さと)であり続ける」とは、こだいらの地が、住み、働き、学び、そして訪れる人々にも、緑と自然につつまれ、安心して住むことができ、そしてこれからも安全に暮らせるまちであることです。そして、いつまでも私たちの「心のよりどころ」として、またいつの時代にも多摩のふるさととして安らぐことができ続けることです。
「いい明日(あした)を予感させる」
「いい明日(あした)を予感させる」とは、住み、働き、学び、そして訪れる人々も含めて、だれもが「こだいら」にすばらしい未来を見ることができることです。そして活気にあふれ、高い芸術や文化のかおりが満ち、またいつまでも健康に暮らせる、わくわくするようなすばらしい未来をつくり続けることです。
第2章 こだいらの将来像
第1節 将来都市像
躍動をかたちに 進化するまち こだいら
―緑と住みやすさを大切に さらに自立し活力あるまちの実現をめざします―
私たちは日々の生活のなかで、緑と住みやすさを大切にするとともに、さらに自立し活力あるまちの実現をめざして、「躍動をかたちに 進化するまち こだいら」を、目標とする小平市の将来都市像とします。
そして、基本構想の基本的な理念に基づいて実現する「こだいら」の各分野における「5つの将来都市像」を、次のように定めます。
1 安全・安心で、いきいきとしたまち ―地域・安全・生活・文化―
私たちのめざすまちは、安全で安心して過ごすことができ、みんながいきいきとしているまちです。だれもが充実した生活を送るとともに、文化や芸術が豊かな誇り高い自信に満ちたまちです。
2 快適で、ほんわかとするまち ―緑・水・環境―
私たちのめざすまちは、緑が豊かな武蔵野の自然に囲まれ、環境にやさしいまちです。だれもが安らぎ快適な生活を送るとともに、地球環境に配慮した賢いまちです。
3 健康で、はつらつとしたまち ―次世代育成・健康福祉・教育・生涯学習―
私たちのめざすまちは、だれもがいつまでも健康で、また地域とともにより質の高い教育をめざすまちです。次世代のためにもみんながお互いに助けあい、健康と福祉の向上をめざすやさしいまちです。
4 住みやすく、希望のあるまち ―都市基盤・交通・産業―
私たちのめざすまちは、住みやすく魅力あふれるまちです。だれもが気持ちよく過ごすことができるように駅前や道路が整備され、すべての人々にとって親しみがあり、生活に便利な味わいのあるまちです。
5 健全で、進化するまち ―地方自治・行財政―
私たちのめざすまちは、都市として進化する魅力あふれるまちです。自己の責任で都市の行財政の運営をめざすことによって、まちの輝きを持ち続け、またみんなに信頼され進化するまちです。
第2節 目標の年次
この基本構想の目標年次は、15年後の平成32年度(2020年度)とします。
第3節 将来の人口
目標年次となる平成32年度(2020年度)に見込まれる小平市の将来人口は、おおむね19万2,000人と想定します。
第4節 まちづくりの方向(将来の土地利用)
各駅を中心とした生活圏域の形成
私たちは、今まで長い年月をかけて、生活圏の中心である市内7つの駅及び近隣の2つの駅の周辺を中心に、商業・業務機能の強化、文化機能の整備、公共交通機能の整備を進めてきました。
今後も、これらを継続して利便性を向上させ、だれもが快適に過ごすことができるように、今まで以上にまちの魅力を増すことをめざします。
良好な住宅環境の維持
良好な住宅環境を維持するためには、ゆとりある敷地として適度な密度を確保する必要があります。用途地域や建物の高さの混在をできるだけ避けることなどによって、快適な居住環境の確保をめざします。
緑の保全と創造
私たちに欠かすことのできない大切な緑については、市民・行政がそれぞれの立場で可能な限り維持していくとともに、新たに緑を創造していくことに努めます。
また、環境の維持、防災、景観の維持などの視点から、玉川上水、野火止用水をはじめ、歴史ある街道沿いの緑やまとまりのある農地などのネットワークづくりを進めます。
幹線道路沿いの土地利用
幹線道路沿いの土地利用については、主要幹線道路や幹線道路の交通特性を基本としながら、背後に隣接する住宅地の環境保護にも配慮し、沿道サービス型の土地利用、または商業・業務施設の立地を誘導します。
第3章 基本的な施策の体系(施策の大綱)
第1節 安全・安心で、いきいきとしたまちをめざして ―地域・安全・生活・文化―
私たちのめざすまちは、安全で安心して過ごすことができ、みんながいきいきとしているまちです。だれもが充実した生活を送るとともに、文化や芸術が豊かな誇り高い自信に満ちたまちです。
このまちを実現するために、次の施策を進めます。
1 地域社会における新たな関係をめざす。(地域社会)
(1) 地域活動・参加と協働
都市化の成熟とともに発生する、人と人のつながりや心のふれあいが少なくなったことによって生じる様々な地域社会の課題に対しては、今まで以上に地域の人々や行政の協働によって解決することをめざします。そして市民と行政が相互に協力しあい、地域活動に参加し実践していくことによって、地域社会における市民と行政の新たな関係の構築を進めます。
(2) 地域の拠点
地域の自立性や自主性を尊重しながら、地域での協力関係や信頼関係をさらに高めていくために地域センターや学校を地域の拠点として、いろいろな用途にも対応できる多様な機能を持たせ、効率的な活用をめざします。
2 安全で安心できるまちをめざす。(安全・安心)
(1) 防犯
社会情勢や経済情勢の変化とともに、日増しに安全についての重要性が高まっているなかで、各関係機関・市民・行政が連携しそれぞれの役割を十分に果たすことにより、安全で安心できるまちの実現をめざします。
(2) 防災
日ごろの災害への備えや防災活動とともに、新たに注目されている危機に対しても起こり得る状況を想定し、対応策を図っていくことが求められています。地域の市民・事業者を守るため、また少しでも災害を減らすために行政をはじめ市民・各関係機関が相互に協力しあい、市民から信頼されるまちをめざします。
3 より充実した市民生活をめざす。(生活)
(1) くらしの相談
生活が多様化し便利になるに従い、市民生活を送るうえでさまざまな課題が生じていますが、快適な市民生活を過ごすために、予防・相談・情報提供などの課題解決のために必要な施策を展開し、より充実した市民生活の実現をめざします。
(2) 情報提供の充実
雇用が促進されることは、安定した生活を送るための基本のひとつですが、一人でも多くの市民にとって雇用の機会を得ることができるように、広く雇用に関する情報提供の場を充実します。また、日々の生活を送るための基本となる住まいについても、安心して住むことができるように情報提供を行い、住みやすい環境の実現を支援します。
4 新しい文化の創造と文化遺産の保存をめざす。(文化)
(1) 新しい文化の創造・発信
さまざまな情報や文化が活発に発信されるこれからは、21世紀にふさわしい新しい文化が創造され、多くの多才な市民の輩出が期待されます。新しい時代にふさわしい文化の創造・発信を支援していくとともに、市内の大学や専修学校などの地域交流や市民の活発な国際交流を通じて、さらなる文化交流の輪を広げていきます。
(2) 歴史
「こだいら」にとってかけがえのない文化的・歴史的遺産を守り、歴史を記録し、伝えるとともに、この貴重な遺産をだれもがいっそう身近に親しむことができるように整え、広く活用をめざします。
第2節 快適で、ほんわかとするまちをめざして ―緑・水・環境―
私たちのめざすまちは、緑が豊かな武蔵野の自然に囲まれ、環境にやさしいまちです。だれもが安らぎ快適な生活を送るとともに、地球環境に配慮した賢いまちです。
このまちを実現するために、次の施策を進めます。
1 貴重な緑を生み出す。(緑)
(1) 公園と緑
都市の宅地化がいっそう進み、今後、緑はますます貴重で公共性を高めることになると思われます。市民、行政を問わず、宅地や空間地の緑化や屋上・壁面の緑化をはじめとして、緑の保全とともに新たな緑を生み出し、また環境にやさしい自然豊かな特色ある公園の実現をめざします。
(2) 公共の緑
玉川上水、野火止用水、狭山・境緑道などの自然が豊かな貴重な財産の活用については、さらに多くの市民に愛され利用されるために、関係機関と連携してその魅力を増すことに努めます。また事業所などについても、生け垣や植栽などで緑の公共性を高め、環境にやさしい身近な緑を積極的に生み出していくことを進めます。
2 水環境の再生をめざす。(水)
(1) 水循環の形成
下水道施設の充実により一定量の雨水への対応が可能となりましたが、環境面からも雨水は直接に大地に還すことが必要です。今後は、多くの人や車が往来する道路部分の排水の整備とともに、みんなが個別に浸透させるしくみの実現に取り組み、雨水の有効利用も視野に入れて、下水道施設への大量の雨水の流入を防ぐことをめざします。
(2) 水辺環境の再生
水に親しむための環境づくりを実現するために、街道を中心に多く存在する歴史的にも貴重な財産である用水路を順次整備・活用することで、新たな名所を創出するとともに、こだいらの「春の小川」を再生し、蛍に親しめるようなまちの実現をめざし、新しいふるさとづくりを進めます。
3 地球環境を視野に入れる。(環境)
(1) 地球環境への配慮
地球温暖化や大気汚染などの地球規模の環境悪化を少しでも防ぐ必要があることから、温室効果ガスの排出規制など、市民・事業所・行政が連携して具体的な数値を定めて対応策を実施するとともに、環境美化や環境にやさしい新しいエネルギーの活用を進め、環境に配慮した生活の実現をめざします。
(2) 資源循環のまちづくり
なによりも廃棄物の発生をおさえ、そして限りある資源を活用し、環境の大切さを学びながら、たくさんの市民・事業所・行政が広く一体となって資源循環型のまちづくりを進めます。
第3節 健康で、はつらつとしたまちをめざして ―次世代育成・健康福祉・教育・生涯学習―
私たちのめざすまちは、だれもがいつまでも健康で、また地域とともにより質の高い教育をめざすまちです。次世代のためにもみんながお互いに助けあい、健康と福祉の向上をめざすやさしいまちです。
このまちを実現するために、次の施策を進めます。
1 次世代のすこやかな育成や多様な生き方を支援する。(次世代育成)
(1) 子育て支援
次の世代を担う子どもたちであふれ、そして安心して子育てができることがこれからの日本の未来に重要なことであり、子どもたちの健全な育成とともに、今まで以上に安心して子育てができる環境の整備が必要です。これからは民間活力を幅広く導入することも含め、創意工夫をしながら整備を行い、さらなる子育て環境の充実を実現します。
(2) 保育サービス
社会の状況やそれぞれの生き方が大きく変化していくなかで、保育をとりまく環境や保育への必要性は、いろいろなかたちで多様化しています。それぞれの生活にふさわしい新しい保育サービスや保育環境のさらなる充実を推進します。
(3) 多様な生き方の尊重
それぞれの生き方が尊重される社会の実現をめざして、男女共同参画、青少年育成、女性の生き方など、それぞれの考え方を認めあい、みんなで支えあいながら個性にあった生き方を支援し、その人にふさわしい施策の展開をめざします。
2 健康で快適な生き方を支援し、自由で自立した生活の向上をめざす。(健康福祉)
(1) 健康づくり
人々が健康で過ごすことができるために、予防・治療とともにスポーツを含めた健康づくりが大切です。心身ともに健康であるために、私たち自身の健康づくりとともに、地域の医療機関との連携や相談のための機関のネットワークを充実させ、だれもが健康で快適な生き方ができるように支援します。
(2) 高齢者福祉
元気な高齢者のための生きがいづくりや社会への参加を支援するとともに、高齢者の生きがいと尊厳ある生き方を尊重します。また介護予防を推進するとともに、介護を必要とする高齢者については必要な福祉サービスについて、地域ケアも含め充実・支援を行っていきます。
(3) 障がい者福祉
障がいがある人にとって、福祉サービスを選ぶことのできる情報の提供や相談機能を充実し、だれもが自由で自立した生活を営むことができるように、地域社会と連携しながら、それぞれの状況にふさわしい福祉サービスへの支援を行っていきます。
(4) 社会保障
安定した生活をだれもが少しでも長く送ることができるように、社会保障の制度の改善や充実について関係機関に要請するとともに、公平性を維持しつつ、みんなが同じように健康な生き方ができるように支援していきます。
3 学力の向上と地域の連携を実現する。(教育)
(1) 小・中学校
学校教育の場においては、学校を含めた地域のちからによって、児童・生徒を見守りながら、それぞれの個性や能力を高めることが必要ですが、基本となるのは基礎学力の向上であり、全力をあげて基礎学力の向上を実現するとともに、一人ひとりの生きる力を伸ばしていきます。
(2) 家庭・地域の教育
これからの社会を生き抜いていくためには、学校における教育とともに、それぞれの成長過程における家庭や地域での健全な人格形成が必要です。子どもたち一人ひとりのおかれた状況にあわせて、家庭や地域における教育について支援し連携していきます。
(3) 幼児教育
子どもが豊かな感性を持ちすこやかに育つうえで、幼児教育は家庭教育とともに重要です。今後は家庭や地域の幼児教育にかかる啓発なども行っていくとともに、それぞれの個性を大切にしながら幼稚園・保育園との機能の総合化も視野に入れて、就学前の教育の充実をめざします。
4 だれもがいきいきと学び豊かな心を育むまちをめざす。(生涯学習)
(1) 生涯学習の推進
市民一人ひとりの生きがいや心の豊かさを求めて、いつでもどこでもあらゆる世代の学習意欲が高まるような機会と場の提供に努めるとともに、その学習成果を活かしていくしくみづくりを推進します。また、公民館、図書館、大学、民間企業・団体など、さまざまな施設との連携を図り、総合的な生涯学習支援ネットワークの形成に努めます。
(2) 図書館サービス
新しい時代の情報拠点として、市民からのさまざまな照会への対応や、市民からの要望に応じた資料の収集・提供など図書館機能の充実を図るとともに、学校図書館などを含めた連携を充実し、さらなる図書館サービスの向上をめざします。
(3) 生涯スポーツの推進
市民が心身ともに健康でいきいきと暮らすために、身近な地域において、幼児から高齢者までだれでも親しめる生涯スポーツ社会の実現を、関係団体との協働で推進します。
第4節 住みやすく、希望のあるまちをめざして ―都市基盤・交通・産業―
私たちのめざすまちは、住みやすく魅力あふれるまちです。だれもが気持ちよく過ごすことができるように駅前や道路が整備され、すべての人々にとって親しみがあり、生活に便利な味わいのあるまちです。
このまちを実現するために、次の施策を進めます。
1 快適なまちを実現する。(都市基盤)
(1) 快適な都市
都市基盤が整備されつつある現在、これからは都市計画による基礎的な基盤整備のほかに、都市としての景観や、だれもが快適に過ごすことができるような環境やさらなる緑地空間の創造など、より安全で質の高いまちづくりをめざします。
(2) 市街地の整備
栄町地区、小川西町地区、花小金井駅周辺地区の整備に引続き、市内の駅周辺の環境整備や区画整理事業などを順次実施し、市街地の整備を進めるとともに、住みやすいまちを実現していきます。
(3) 道路の整備
社会生活や経済活動を支える都市基盤のひとつである都市計画道路の整備や地域の生活に密着した道路の整備を進め、さらに災害時にも必要な便利で安全な道路空間を確保していきます。
2 通行しやすく便利なまちをめざす。(交通)
(1) 交通網
市内を走る鉄道の多くは、生活空間や道路交通をさえぎり多くの課題をもたらしてきました。今後は、広域的に踏み切りの対策や連続立体交差の実現を推進していくとともに、市内の公共交通網について、既存の交通手段の見直し・活用を行いながら、市民・事業者・行政がそれぞれの課題を解決し、移動しやすい快適なまちの実現をめざします。
(2) 交通安全
環境にやさしい身近な自転車の活用も含め、すべての人にとって安全なまちの実現をめざします。また、交通安全や自転車放置についてさらなる対応を図りながら、だれもが通行しやすく移動がしやすい便利なまちをめざします。
3 活力ある産業の展開をめざす。(産業)
(1) 商工業
社会の変化により、新しい商工業のしくみや意識の改革が求められており、今後は、地域の消費への対応とともに、小平グリーンロード(市内一周緑道)を有効活用して集客機能を高めるなどの工夫によって、事業者・消費者・行政が連携しながら、個性豊かな商工業のさらなる展開をめざします。
(2) 都市農業
都市の農地は作物を育て収穫するとともに、教育の場の提供や人々にうるおいを与えてくれます。新鮮で安全な作物を提供し、安定した都市型農業として信頼されるために、農地の保全や新しい農業のかたちも含めた農業経営の取り組みを、市民とともに支援していきます。
第5節 健全で、進化するまちをめざして ―地方自治・行財政―
私たちのめざすまちは、都市として進化する魅力あふれるまちです。自己の責任で都市の行財政の運営をめざすことによって、まちの輝きを持ち続け、またみんなに信頼され進化するまちです。
このまちを実現するために、次の施策を進めます。
1 新しい地方自治を推進する。(地方自治)
(1) 分権型社会における自治体
本格的に到来した地方分権の時代は、地方自治制度や地方財政制度の大きな変更を求めることになります。今後は変わる制度などへの対応も含め、広域的な連携を含め、また市民参加をさまざまなかたちで実施し的確に対応していくことをめざします。さらに、今後は規制緩和・民営化や情報技術社会の進展とともに、従来の行政サービスを果敢に見直すことによって、必要に応じて民間部門とともに、機動性・効率性に富むサービス主体をめざします。
(2) 情報公開
行政の持つ情報の公開によって行政の透明性を高めることは、自治体がみんなから信頼されるために最も必要なことのひとつです。行政情報はもとより、他の公共サービスについてもわかりやすく情報を公開して、はじめて適切な助言や評価を得ることができることになります。今後も、行政の持つ情報のさらなる公開に努め、市民参加も含めわかりやすい行政運営をめざします。
2 健全な行財政運営を実現する。(行財政)
(1) 行政サービス
新しい時代にあった行政サービスを提供するために、常に新しい評価や視点に立った行政運営を行うことが求められます。今後は、さらに新たな計画による確実な行政運営と、施策の実効性を高めるために自治体として政策立法の技術の向上をめざします。さらに、小平市らしい行政サービスを計画的に展開し、情報技術社会にふさわしい安心で信頼される便利な自治体を実現します。
(2) 財政運営
今後、さらに厳しさが予想される財政状況に対応するために、さらなる自治体の財務情報の公開を行い、財務内容の向上と理解をめざすとともに、いっそう効果的で効率的な運営を進めます。
(3) 行財政改革
この基本構想を実現するためには、今まで以上に大胆で、かつ構造的な行政面・財政面における改革が不可欠です。そのためには、市内の公共施設の再配置などを含めた、より具体的な行財政改革をあらゆる分野にわたって推進しその実現をめざします。
(4) 公務
これからの公務サービスは、サービス内容とともに従来の公務領域の再検討も必要となり、さらに自治体職員のあり方についても検討が必要となります。今後は、このような動向を視野に入れつつ、職員のいっそうの政策形成能力の向上や人材の育成をめざします。
第4章 基本構想を実現するために
第1節 明日へ続く「3つのちから」
未来に向かう将来都市像を実現していくためには、市民と行政の従来の関係にとらわれず、各方面での新しい役割や関係を構築し、明日へ続く3つの新しい活力を高めることが必要です。
すなわち、私たち一人ひとりのちからとしての「地域力」、こだいらの地域の経済や社会システムとしての「民活力」、そして市全体を調整しまとめる「行政力」、この「3つのちから」が必要です。
「地域力」 私たち一人ひとりの地域での「ちから」
「地域力」とは、私たち市民一人ひとりの持つ地域における「ちから」であり「活力」です。市民個人がそれぞれの才能を発揮し、自由にネットワークを持ち、また協働しながら、その「力」をみずから高めることができるものです。
「民活力」 こだいらの地域の経済や社会システムの「ちから」
「民活力」とは、私たち地域の持続可能な社会を構築する経済・社会システムの「ちから」です。市内に企業が存在し一定の経済システムやさまざまな社会のしくみが円滑にはたらき、その効果が上がることによって、さらにその「力」を高めることになります。
「行政力」 市全体を調整しまとめる行政の「ちから」
「行政力」とは、自治体の「ちから」であり、小平市としての「実力」です。今後、自治体の健全な都市経営を行っていく力量であり、効果的な施策を展開できる職員の力量です。さらに、「地域力」と「民活力」の間を調整しまとめる、いわば「プロデューサー」としての役割もあわせて持つものです。
第2節 まず、みんなが元気になる
こだいらのまちが躍動し進化していくためには、私たちみんなが「元気になる」ことです。それには、「地域力」「民活力」「行政力」の「3つのちから」が必要で、この3つのちからがバランス良く育つことによって、はじめて持続可能なまち、そして若者にも魅力のある、元気なまちが実現することになります。
そしてみんなが元気になることによって、さらにわたしたちのまち「こだいら」全体が元気になっていきます。
第3節 いろいろな側面をもつ「行政力」
未来に向かう将来都市像を実現していくためには、今まで以上に計画的で効率的な都市経営が求められ、さらに「地域力」「民活力」「行政力」という「3つのちから」が必要となります。
「行政力」については、計画的な行政を展開していくなかで、さらに別の役割も求められることになります。すなわち、2つのちからの間を調整しまとめる役割のほかに、2つのちからをより効果的なものとするための「起動力」として、そして、あるときには「推進力」としてのエンジンの役割を果たすことにもなるなど、いろいろな側面を持つことになり、それぞれの場面でその役割を担うことになります。
第4節 地方分権時代にふさわしい行政スタイルへ
本格的な分権型社会の到来は、自治体と国との関係や役割を明確にしつつあります。今後は、今以上に国や他の自治体との関係も、さらに地方分権の時代にふさわしいかたちになるはずです。
小平市も、地方分権の基本的なルールである「自己決定」及び「自己責任」を果たすなかで、地方分権の時代にふさわしい関係を構築しながら、いっそうの情報の公開や市民の参加を進め、信頼される自治体をめざします。