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亥(い)の子(こ)のぼたもち/お雑煮とごはん(小平市の昔話)

更新日: 2007年(平成19年)9月27日  作成部署:企画政策部 秘書広報課

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亥(い)の子(こ)のぼたもち

 大根といえば、こんな話もあるんだよ。


 昔、この辺りには亥(い)の子(こ)さまという大きなイノシシがいたんだって。亥の子さまには9匹の子どもがいて、やんちゃで暴れん坊だったの。畑にやってきては、作物の芽を踏みつぶしたり、大根や芋をかじってしまったり、それはそれは大変だったんだよ。


 この辺りはみんな、農家だったからね。作物を荒らされて、困ってしまって、とうとうみんなで相談したんだって。いつもこんなに畑を荒らされたら、仕事をする気にもなれない、どうしたらいいものかって。それで、ぼたもちをこさえて、亥の子さまに畑で悪さをしないように、お願いに行くことにしたんだって。どうか、このぼたもちを食べて、大事な畑を荒らさないでくださいって。亥の子さまに願いは通じてね、それからは作物が荒らされることはなくなったの。


 それで、毎年11月9日になると、ぼたもちを作るようになったんだよ。亥の子さまの子どもは9匹だから、9つの大きなぼたもちを作って、重箱に詰めるの。それを畑に持っていくんだよ。うちでは、そのぼたもちを畑に置いてきたんだけど、そのまま持って帰る家もあるんだよ。


 知り合いの家では、ぼたもちを大根畑に持っていって、畑の周りをぐるっと回るそうだよ。そうすると大根がぼたもちを見たくて、ぐいっと首を伸ばすんだって。大根がぐんと大きくなって土から持ち上がるんで、抜きやすくなるってことだね。


 ほかにも、ぼたもちをみんなで食べている音を聞かせると、それを食べたくて、首を伸ばすっていう家もあるよ。そのときにね、「米かえ?粟(あわ)かえ?」って、大声で聞くんだって。「米だよ」って答えると、大根が首を伸ばすんだって。だけど、粟で作ったぼたもちだと、大根が首を引っ込めちゃうんだって。それで、この日を「大根の年取り」って言ったんだよ。

むかしばなしのイラスト

お雑煮(ぞうに)とごはん

 小平のお雑煮(ぞうに)は、しょうゆ味なんだよ。おもちは四角で、焼いたり、焼かなかったり。それから自分ちの畑の大根やにんじん、里芋、小松菜なんかを入れるんだよ。


 おもちは陸稲(おかぼ)のもちだったの。小平は水が不自由で、田んぼがほとんどなくてね。陸稲っていって畑で育つ稲を植えていたんだよ。陸稲の米は、田んぼの米に比べて、ぱさぱさして粘りけが少ないの。だからもちをついても、あんまり伸びなくて、今のようには、おいしくなかったね。


 それでも、おもちはごちそうだったんだよ。もち米は、ごはんに炊くうるち米より、とれる量が少ないから、それだけぜいたくだったんだね。だからお正月にしか食べられないお雑煮は、本当にごちそうだったの。


 ごちそうといえば、白いごはんもごちそうだったの。白いごはんは月に1・2回しか食べられなくて、ふだんはお米に大麦を混ぜて食べていたでしょ。それも大麦の方が多いくらいだから、ぽろぽろのごはんだったよ。


 お正月になると、朝はお雑煮で、昼は真っ白なごはんを食べられるんだから、とても楽しみだったの。

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