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着物、洗い張り (小平市の昔話)

更新日: 2008年(平成20年)1月9日  作成部署:企画政策部 秘書広報課

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洗い張りのイラスト

夜なべ仕事と言えば、繕(つくろ)い物だけじゃなくて、着物もよく縫(ぬ)ったね。

新しい着物を縫(ぬ)うときもあるけど、縫(ぬ)い直しが多かったんだよ。

着物は夏用の単衣(ひとえ)、冬用の袷(あわせ)があって、それぞれ季節が終わると、

汚れがひどいものだけ洗い張りをしたもんだよ。縫(ぬ)ってある糸をほどいて、

布に戻してから洗うの。洗った布は、板に貼り付けたり、伸(しんし)針でピンと伸ばして、

のりを付けて乾かすんだよ。それを次の季節に間に合うように、着物に縫(ぬ)うんだから、

大変な手間だったの。

上等な着物は洗い張り屋さんや染め物屋さんに頼むんだけど、普段着は自分の家(うち)で、

洗い張りするんだから大変だったね。

着物から抜いた糸も大切に取っておいて、雑巾を縫(ぬ)うときに使ったんだよ。

今は新しいタオルを下ろして、雑巾(ぞうきん)にしたりするけど、昔は古布で作ったんだよ。

傷んで着られなくなった木綿の服や下着などを、重ねて刺して、雑巾(ぞうきん)に縫(ぬ)ったの。

着物と言えば、明治時代から昭和の初め頃までは、小平は養蚕(ようさん)が盛んで繭(まゆ)を

たくさん出荷していたの。だから自分の家(うち)で繭(まゆ)から糸を取り、機(はた)を織って、

反物まで作っていた人もいたんだよ。自分の家(うち)で作った反物は家(うち)織りと言って、

良い繭(まゆ)で作ることもあったけど玉繭(まゆ)やビション繭(まゆ)なんかの、

売り物にならないような繭(まゆ)で織ることが多かったんだよ。

玉繭(たままゆ)は大きな丸い繭(まゆ)で、2匹の蚕が一緒(いっしょ)に一つの繭(まゆ)を

作ったものなの。大きいから良さそうなものだけど、実は糸が節だらけなんだよ。

ビション繭(まゆ)という、中で蚕が死んでしまった繭(まゆ)も、糸に染みが出ていて、

売り物にはならないの。そういう物で、自分たちの着物を作ったんだね。

でも、絹だから、やわらかくて軽くて、着やすかったんだよ。


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〒187-8701 
小平市小川町2-1333 市役所3階

秘書広報課広報担当

電話:042-346-9505

FAX:042-346-9507

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