小平市役所
法人番号:2000020132110
〒187-8701 東京都小平市小川町2-1333
代表 042-341-1211
糧うどんは、地粉を使った手打ちの太麺で、温かいつけ汁に「糧」というゆでた旬の野菜を入れて食べる料理です。
この糧うどんが小平で食べられるようになった歴史と、おいしさの秘密を、武蔵野手打ちうどん保存普及会会長の宮﨑照夫さんに伺いました。
小平がある武蔵野台地は、「逃げ水の里」と言われるほど水はけがよい土地でした。
そのため、米などの稲作ではなく、麦作が盛んで、ひばりが鳴くぐらい麦畑が多かったです。
小麦は売って現金収入にしていたので、小麦粉を使って作るうどんは、ごちそうとされていました。
冠婚葬祭のときには、料理の最後の本膳として糧うどんがふるまわれました。
地域の人と共同で作っていたため、うどんを作れない女性は嫁に行けないとまで言われていました。
今では麦作の農家は1・2軒ほどになってしまいましたが、うどんは麦作が盛んであった小平に根ざした食文化だったのです。
乾麺や機械で作った麺とは違い、糧うどんの特徴であるコシの強さは、うどんの生地を足で踏む工程から生まれます。
小麦粉は塩水を混ぜてこねると、グルテンというタンパク質が生まれ、ねばりと弾力のもととなります。
足で踏むことで、いろいろな方向から適度な力を加えられ、グルテンが絡み合い、コシの強い麺ができあがります。
問合せ 武蔵野手打ちうどん保存普及会 江連 電話042(343)5153
うどんの伝統的な食文化を保存し、普及させていこうと、「うどん博士」とも呼ばれていた加藤有次さん(国学院大学名誉教授・小平市出身)が1988年に立ち上げ、小平だけでなく、全国のうどん好きが集まる保存普及会が誕生しました。
うどんの文化や伝統を伝えるために、小平のみならず、全国で活動しています。
社会教育としてうどんの食文化を伝えていくために、二小・七小・十一小・十五小などでうどんの講習会を行っているほか、アメリカンスクールの生徒にもうどん作りを教えています。
また、昔と同じような風景で糧うどんの味を楽しんでもらえるよう、小平ふるさと村の古民家で販売もしています(3面)。
年齢や地域に関係なく、経験も必要ありません。
うどんは食べるのは好きだけど、作るのは難しいと考えている人でも大丈夫です。
郷土料理として親しまれてきたうどんを皆さんで作り、味わうことで交流を深めませんか。