昼間部会 検討の記録(1)
更新日:
2007年(平成19年)10月3日
作成部署:企画政策部 政策課
日時
平成19年5月12日(土曜)、午後7時40分~9時30分
検討テーマ
- 昼間部会が検討するテーマの確認と議論の進め方
- 市民の「定義」について
- 「権利・責務」について
- 部会の進め方
配布資料
- 項目別条文比較
「定義」、「市民の権利・責務」について
検討の記録
1.昼間部会が検討するテーマの確認と議論の進め方
1.そもそもの昼間部会の検討のスタンス
- 昼間部会の検討のスタンスは、「市民」をキーワードに条例を考える事である。
- 主な検討の対象は「市民」、「市民参加のあり方」で、さらに「市民への情報公開」といった事柄が含まれる。
2.検討スタンスからのテーマと、議論の進め方
- 「市民」をキーワードに基本条例に取り入れるべきテーマを考えると、取り合えず、市民の「定義」、市民の「権利と責務」、「市民参加」、「情報公開」といった四つのテーマがあげられる。
- この四つのテーマで議論に入り、議論の過程で、最終的なテーマを整理することにする。
3.議論の進め方
- 三回(三日)の議論で、テーマについての内容と方向性を議論することになるので、今日は、市民の「定義」、市民の「権利と責務」について議論する。
2.市民の「定義」について
- 「市民」といった時に、年齢は幾つまでにするのか、また子供や小学生は条例のなかでいう市民の定義の中に入るのか否か。
- 責務の対象となると、一般的には18歳以上ということになる。しかし、赤ちゃんにも幸せに育つ権利はある。
- 当面、「市民」は全ての人が入るのではないか。
- 具体的には、小平市に「住んでいる人」で、「働いている人」、「学んでいる人」が市民であろう。
- 更に、市域内で事業活動を行っている人、例えば会社の社長さんも「市民」に入ると考えてよいし、また、その会社で働いている従業員も「市民」に入る。
- また、市域内でNPO等の活動をしている人も「市民」に入る。
- 以上をまとめて表現すると、市内に「在住」、「在勤」、「在学」している人を指して「市民」といえるのではないか。
- 市内に「在住」、「在勤」、「在学」している人を指して「市民」といえば、外国人籍の人も含まれるし、排除の論理にはならない。
- また、この定義だと、例えば、選挙権を持っている市民、免許資格取得可能な市民、煙草が吸える年齢の市民、結婚が出来る市民といった括りとは異なり、普遍的な定義になる。
- 小平市に土地や建物を持ってはいるが住んでない人は「市民」になるのか? そいう不在地主的な人にも、キチンと財産を管理する「責務」はあるが。
- 我孫子市の基本条例では、案の段階では不在地主的な人も「市民」に入れることとなっていたが、議会で否決されたようだ。否決され理由は、定かでなく、想像の範囲だが、議員定数に関わる問題だったようで、最後は政治的判断で決めたらしい。
- このように議論をしていると、市民にも色々な段階性があることが判る。段階性から市民を定義付けると、先ず第一は「在住の市民」、第二は「住んではいないが、在勤、在学の市民」、そして第三は「住んではいないが土地・建物を所有している市民」となる。
- 「市民」という定義付けの議論をしていると、また市民の定義付けの段階性を議論をしていると、市民は皆平等である、とういう考えも明示する必要があると考える。
- 「市民」といったときに、「市民」は男女で差別されてはいけない、学歴で差別されてはいけない、貧富の差で差別されてはいけないといったことがある。特に、最近は市民の経済的な差が現実の大きな問題となりつつある。
- この「平等」という概念を「市民」の定義付けの中で入れ込むべきか、あるいは、大きな概念であることからして、自治基本条例の柱となるテーマくらいの位置付けで組み立てるべきか、今後の課題としたい。
3.「権利・責務」について
1.「権利」にはどんな権利があるか
- 市民の「権利」といった場合、「参加する権利」、「参画する権利」、「知る権利」、「行政サービスを受ける権利」が先ず思い浮かぶ。
- 「参加する権利」と「参画する権利」の違いは、「参画」の方が計画段階から参加するということで、深い意味として受け取れるイメージである。
- 「行政サービスを受ける権利」は、ゴミ処理から始まって、上下水道、公民館などの公共施設、子供の教育、さらに道路や橋等の公共施設、高齢者・障害者等の福祉に至るまで、サービスの対象は幅広くある。行政サービスの対象は、役所の窓口を見ればその全体がわかる。
2.国民としての権利や人権との関係
- 自治基本条例で「権利」を議論する前に、私たちには憲法で保障された「国民の権利」があるが、この「国民の権利」との関係をどのように認識したらよいのだろうか。
- 「国民の権利」は、例えば、選挙権、請願権、陳情権等の地方自治法上の権利の他に、生活保護を受けられるといった生存権なども有る。
- 権利の議論を深めると、国民としての権利の前に「人権」といったことがあるのではないか。例えば、「小平市市民は、小平市で幸せに暮らし、学び、働き活動する権利がある。」といった「人権」が先ずあるべきでないか。これが「権利」の大もとにあって、それを保障する為の細かな規定による「権利」があるのではないか。
- 「権利」としての「人権」は、自治基本条例で謳う「権利」の冒頭で記述するのがよいのではないか。
3.「責務」について
- 義務と責務の違いは何か。納税の義務とは言うが、責務とは言わない。また、例えば、基本的人権に対しては義務という概念は当てはまらないのではないか。
- 仮に色々と責務があるとして、一番大事な責務は、他人の権利を守る責務ではないか。
- 今、こうして私たちが市民の「責務」議論しているが、一般市民からすると、「責務」について“そこまで言われたく無い!”、“そこまで責務を書くな!”というのが正直な心情ではないだろうか。
- 例えば、今日のような皆が参加して何かを作ろうとするような会があれば、市民はこの会に参加する「権利」はある。また、参加する「責務」もあるのではないか。しかし参加する義務も有る、とは言えない。そして、参加しなくても不利益を被らない権利はある。この事は、大事なことである。
- 市民が作ったルールは守らなければならない責務があるが、また、おかしいと思われる変なルールはそのルールを変える責務もある、のではないか。
- 市民は自然環境に対して、子育て環境や教育環境に対してよりよくしていく事へ配慮する「責務」もあるのではないか。宝塚市では「まちづくりの主体として環境に配慮する責務がある」としている。
- 他の自治体の事例として、「自治を推進する責務がある」(大和市)、「自治を守りすすめる為、参加に務めるものとする」(ニセコ町)とあるが、夕張市の財政破綻をみても、市民にもその責任の一端は担うべきという考えが根底にある。市民が予算をチェックしなかった、しっかりと勉強してなかった、議員を選んだということも背景にある。
- 事業者にも「責務」があるのではないか。札幌市の条例では、「事業者は、地域社会の構成の一員として、社会的責任を認識し、地域社会と調和し、・・地域社会の実現に寄与するように務めるものとする」とある。また、杉並区では「事業者の一員として・・義務を要する」とある。
- 定義された「市民」の対象によって「権利」も「責務」も違うことを、キチンと書き分けることが大切である。
- 市民は、まちづくりや行政に関心を持たなければならない、ということである。知ると関心も湧く。次の「市民参加」や「情報公開」に繋がる話でもある。
4.権利と責務の議論を通して
- 自治基本条例の検討過程で、市民の「権利」と「責務」の議論を進めていると、私たちが本来持っている権利、また、憲法で保障された権利等について再確認せざるを得ない。
- 自治基本条例は、市の憲法であると謳うことからして、この市民の「権利」についての検討作業は、憲法で保障された権利を再確認しつつ、「権利」についての再構築、逆構築をするという作業である。
- 改めて、私たちの部会で検討する意義をしっかりと捉えることが出来た。とっても大切なことでもある
4.部会の進め方
1.次回
- 5月25日(金曜)の朝10時~12時
- 議題は、「市民参加」と「情報公開」について