第2部会 検討の記録(4-1)
更新日:
2007年(平成19年)10月3日
作成部署:企画政策部 政策課
日時
平成19年6月15日(金曜)、午後7時00分~9時30分
検討テーマ
- 「自治体運営」について
(財政運営のあり方を中心にフリーディスカッション)
配布資料
- 前回の記録
- 他部会の記録
- 会議の開催日程表
- 行財政再構築プラン関連資料(6/1の講義の追加資料)
- 自治体運営に関するメモ
検討の記録
1.自治基本条例で財政運営について具体的に何か書けないか?
【問題提起】
- 行政運営を進める上では財政との連動が重要なポイントになる。
- 他の自治体の自治基本条例でも「健全な財政運営」を載せているものがあるが、考え方にとどまる場合が多い。(行政運営の分野に関しては細かな行政手続を規定しているところもあるが、それは法令の規定がすでにあり、落ち着く先が決まっていることもある。)
- 今回の小平市の自治基本条例では、もう一歩踏み込んで具体的な内容を何か書けないか?
【まとめ】
- 「健全な財政運営」だけでなく、何か具体的な内容を書くことにする。
2.「健全な財政運営の具体的な内容」について
1.数値目標の規定の是非について
【問題提起】
- 自治基本条例に何らかの数値目標まで入れるべきではないか。(他の自治体の自治基本条例には数値目標を上げている自治体は少ない)
【出された意見】
- 数値目標を達成できなかったらどうするのか。
- 自治基本条例は計画ではなく基本的な考え方を示すものである。原則は努力目標を示せばよいのではないか。数値目標よりも定性的な枠を規定する方が良い。
- 数値目標は努力目標とするのが一般的だ。もし、条例で義務化すると達成できない場合は責任問題まで発展する可能性がある。そこまで厳しくする必要があるのか。
- 数値目標を入れる場合はその見直しの規定も必要になるだろう。
2.財政運営への責任と情報共有
【出された意見】
- 財政危機を回避するためにも、行政は財政運営について責任と自覚を持って財政状況を市民に隠さず公表し、情報共有を図るべき。
- 夕張市にならないためにも市民に選択する余地を残すべき。
- もし財政的に増税が必要な状態であればそうすることも必要だろう。
- 借金は次世代に残すのか、もしくは、残さないようにするのかどっちを目指すのかを考えるべき。(高福祉高負担⇔中福祉中負担⇔低福祉低負担)
- 借金の枠を決めた上で財政均衡を目指すべし。その中で民間活用などの実施によりコスト削減を目指す。
3.税収UPを目指すために
【出された意見】
■目的外課税を創設、徴収税率を増やす
- 制度的に新税の導入は可能だが実際に導入している自治体は少ない。新たな税項目をつくることは難しい。
- また、標準税率を超えた徴収も難しい。
■魅力的なまちづくりで資産価値を高める
- 人口を押さえて環境重視にする、子育て・教育に力を入れて子育て世代を呼び込む、シンクタンクや研究機関の誘致など。
■最低敷地規模を緩和する。
- 最低敷地規模を緩和して建築戸数を増やし、借地収入増加を目指してはどうか。
- 小平市には農地が多く残っているが相続時の転用で細分化して土地が売れるようにしてはどうか。
■人口を増やす
■産業振興に力を入れる。
4.アウトソーシングの効果と課題
【出された意見】
■アウトソーシングの効果
- 行政の仕事をアウトソーシングにより民間の競争原理にかければコストダウンになるのではないか。そして民間の収入が増えて最終的に市全体の税収アップに寄与するのではないか。
■アウトソーシングの問題
- アウトソーシングを促進する一方で職員数を減らすことが果たしてよいのか?
- アウトソーシングによって品質低下をもたらさないか。命のサービス等行政がやった方がいい事業もある。
- アウトソーシングは人件費程度の削減で根本的なコストダウンにはならないのではないか。
- 委託金が安くなれば業者は人件費を削らなければいけない。結果として第2のふじみ野市プール事件がおこらないとも限らない。入札方法を改善したり、労働者としての権利を守る仕組みが必要ではないか。
【まとめ】
- 行政がすべき仕事は何か、アウトソーシングすべき仕事は何か。洗い出すべき。
5.職員の意識は?職員は賃金にあった仕事をしているのか
【出された意見】
- 行政職員は果たすべき仕事をきちんとやっているのか。
- 職員は積極的・主体的にまちづくりに関わってほしい。
- 命のサービスなど行政がすべき仕事を守ることが市長の役割ではないか。市長が公務員をどう使うかという視点が必要になる。
- 職員の人件費については、民間企業より多く支給されていることもあり批判の対象になっている。過剰な部分についてはアウトソーシングしてコストダウンに取り組むべき。
- 現業職(臨時職員が多い)については、過去に労働の権利を守るために正規雇用を進めた時期がある。
■過去の行財政再構築プランで実施されたアンケート結果から
- 全職員に対するアンケート結果で「第4次行財政再構築プランを知っているか」という問いに対して「あまり知らない」「全く知らない」と回答したのは全体の70%に上った。この数字をみて職員の意識が足りないと感じた。
- また、「小平市の業務のうちアウトソーシングすべき業務」として「窓口業務」とあったが、窓口業務は命のサービスのひとつとして重要ではないか。
6.地域活動への支援(人材動員・補助金)について
【問題提起】
■過去の行財政再構築プランで実施されたアンケート結果から
- 全職員に対するアンケート結果で「小平市の業務として要らない仕事」として「イベント」が挙げられていた。
- イベントへの人材動員・補助金の支給は適正なのか?効果の評価が必要。
【出された意見】
- 地域活動への補助金や人材動員については、透明性と妥当性の面について市民から見えにくい実態がある。
- また、議会のチェックも働きにくい。議員は市民(地域)と近い関係でなかなか駄目といえない。
- イベントや補助金はビルドはやりやすいがスクラップは難しい。
- 自治基本条例で定期的に中止・続行を見直せる内容を入れてはどうか。(3年など)
- 補助金を時限的な運用にして定期的にリセットできるようにしてはどうか。
○地域活動に対する補助金は、関係団体とのつながりを考えるとドライに切ることは難しい。補助金は「市民のため」に行うものであるから、そのための活動に対する補助金は相当な理由がなければ切ることは難しい。
【事務局からのコメント】
- 小平市でも補助金の見直しが行われ、縮小が進んでいる。
- 一方で時代変化により活動の実態と効果が合わなくなっているところも多くなってきているのも事実である。
【まとめ】
- 地域活動を対象とした補助金の見直しについては条例に入れる。
(国や都からの補助金に関しては今後の検討事項)
- 見直しの具体策(見直し⇒中止・継続の判断)については今後の検討課題とする。