平成19年度 第19回市民の会議・会議の要旨(2)
更新日:
2008年(平成20年)1月29日
作成部署:企画政策部 政策課
2.起草グループからの提案
○起草グループ
- 目的、他との関係、位置づけ、見直し部分について、起草グループからたたき台を提案する。
(1)目的
- 前文にも同様の趣旨の文章があるので、ここでは簡潔にまとめることを意識した。
- 固い表現になっているという指摘があるかもしれないが、今後の課題としたい。
(2)国、都等との関係
- 「国及び東京都と適切な関係を保つ」とは、意思疎通を図って協力していくというような意味合いである。
- また、「必要な取り組み」とは、小平市の自治のために必要な権限や財源の委譲について努力するという意味を、多少あいまいに表現したものである。
(3)他自治体との関係
(4)国際的な関係
- 市としてなんらかの責務や義務が生じるという懸念があるが、前文との対応も考えて作成した。この条項をあえて入れるかどうかは議論があると思う。
- 他事例では、「定住外国人との調和」について触れているものがあるが、より大きな問題として捉えるべきだと考えて作成した。
(5)位置づけ
- 最高規範とするかどうかが論点である。
- この条例の制定方法は、市民投票や議会の2/3の議決によるものではなく、一般的な条例と変わらないものである。
- また、市民のあらゆる権利義務について網羅しているわけでもない。
- よって最高規範とはしない考えで作成した。
(6)条例の見直し
- 条例の見直し条項の考え方として、[1]定期的に見直す、[2]最初の何年か後に見直す、[3]必要に応じて見直す、[4]見直さないという4パタンがあると思う。
- 定期的に見直しても条例内容が改善される保障はない。また、自治の進展について何年たてば成果が検証できるのかがはっきりしない。まったく見直さないというのもまた不適切である。
- そのことから、「必要に応じて見直す」ことを考えた。
【出された意見】
(1)目的
- 自治基本条例の目的を「市民生活の向上に寄与すること」と限定する必要がないと思う。
- 条例の直接的な効力の及ぶ範囲での目的を規定すれば十分だと思う。
(2)国、都等との関係
- 「適切な関係を保つ」とあるが、現状の認識では「適切な関係」とは言えず、これから構築するものだと思う。
- 市と国、都は「対等である」というキーワードがほしい。
- 「適切な取り組み」の部分は、あいまいに表現したということであるが、やはり意味が通じにくい。もう少し踏み込んでもいいのでは。抽象的に表現すれば行政が拡大解釈できることになってしまう。
- しかし、限定する表現によって縛り過ぎないほうがいいという見方もある。
(3)他自治体との関係
- 他の政府とは、「必要に応じて」連携すればよいので、そのような表現を加えたい。
(4)国際的な関係
- ここでいう「国際的な課題」とは、環境問題や人権問題などをさすのか?前文でも触れている内容だが、前文だけで触れるよりも一歩踏み込んだ規定になるので、この条項をおくことは賛成だ。
- 主語が「市」となっているが、誰をさすのか?市行政の責務とするのか、あるいは、民間の国際交流など市内の多様な主体を含めて考えることもできるのでは?
(5)条例の位置づけ
- 既存の条例は、直ちに自治基本条例との整合を図る必要がないという内容になっているが、それでもいいか。
- 小平市の既存の条例の中に、骨子案とバッティングする条例が具体的にあるのか?
- この条項にどのように書こうとも、他の条例と自治基本条例は、制定手続き的には対等なものであり、他の条例の内容がバッティングする場合に、自治基本条例の方を改定することさえありえる。
- 「趣旨を尊重し、この条例との整合を図る」としておくことでいいのではないか。
(6)条例の見直し
- 条例の見直しは誰がするのか?
- 「自治推進委員会」との関係もあるので、整理が必要だ。
3.環境条項について
○有志メンバーによるグループ
- 市民の会議内外から要望のあった「環境条項」について追加することを提案する。
- 前文には環境について触れているが、より一歩踏み込んで条項として挿入したい。平成13年施行の「小平市環境基本条例」は非常によくできており、これが守られればよく、自治基本条例にも定めるのは屋上屋を重ねることになりかねないとは思っている。
- 他の事例としては、久喜市、新見市に基本理念などとして、日進市では「環境権」という権利を規定している。
- しかし、実際にこの提案内容で挿入ができるのか、みなで知恵を出し合いたい。
- 今日は時間がないので、提案説明のみとし、今後の全体会の議題とする。
4.行政との意見交換
○市担当者
- 意見調整の趣旨として、今後条例案を提案する市長として説明できるような形にしていく必要がある。
- そのため、あえて批判的な視点での意見を述べることがあるかと思う。その際、「こうすれば説明がつくはずだ」というような反論もしていただき、意見交換したい。
- 市からの意見の大きな論点は、[1]参加や協働、コミュニティについて基本条例としてどう位置づけるか、[2]条文化にあたっての文言や構成整理、[3]自治推進会議やオンブズマンなどの体制などである。
【資料「自治基本条例の調整事項について」の説明】
【意見交換の内容】
(1)「地域コミュニティ」について
○メンバー
- 「コミュニティ」とは、そもそも地域性を持つものだと考えている。
○市
- 「コミュニティ」というと、地縁によるものが中心だと受け止められがちだが、テーマ型というような市民活動が現にあり、その活力を今後より活用していくことが重要。
- 地縁型だけでなく、テーマ型、さらには民間事業者など、多様な主体の力を活用して、地域における課題解決、サービス提供を行なっていくべきと考えており、その趣旨で整理されればよいのではないか。
- もし、「テーマ型の活動を活用した公共サービス提供」を別に取り上げるのであれば、「コミュニティ」の部分では、地縁型を中心に整理することもできる。
○メンバー
- 「テーマ型の活動を活用した公共サービス提供」については、「参加および協働」の部分で触れている。
- 「コミュニティ」の部分の論点は、市の指摘とはまったく違うところにある。市行政対個人や事業者、という構図での議論ではない。
- ここでの論点は、「自治の主体としての『コミュニティ』を位置づけるのかどうか」という問題である。
(2)オンブズマンと行政相談員制度
○メンバー
- 現行の行政相談員には調査権がなく、オンブズマン制度の代行はできない。
○市
- 「必要に応じてオンブズマン制度等第三者機関を導入」とされているが、今後そのような必要性があるのかどうか、検討が必要だと考えている。
(3)参加及び協働についての「詳細な規定」について
○市
- 参加、協働について、この条例では基本原則を整理し、詳細に関しては、別に規定していくとしてはどうか。
○メンバー
- 参加とはそもそも手続き的なものであり、基本原則のみでなく、実質の部分が重要である。参加の方法や対象についての規定は、骨子案のもっとも重要な部分のひとつである。
- また、市民が条例案をつくるというコンセプトからしても、参加について重点的に触れないのはおかしいのではないか。
- 参加の範囲を明確にして権利を保障したい。
- 骨子案では参加の方法と対象について触れているが、さらに、方法と対象のマッチングも重要であると考えており、せめて骨子案の程度までは規定すべき。
- すでに市民参加指針があるが、要綱や指針だけでは、「通達行政」になりかねない。内容が重複したとしても条例に改めて定める意義はある。
○市
- 参加については具体的すぎて、個別の施策の実施に支障が出る可能性があると考えている。
- また、参加と協働の部分で、詳細度などのトーンが異なるのはいかがか。
○メンバー
- 参加は、すぐにでも実践に入ることが可能だ。一方、協働は小平市においてはその基盤づくりから着手しなければならない。濃淡が異なるのは当然だ。
- 法律的構成からみても当然である。参加とは、権利であり義務者がいるものであるから詳細に定める必要がある。一方、協働とは、公共サービスの提供に関する提供者同士の契約であり、各ケースにゆだねればよく、細かく定める必要がない。
○市
- 協働についての条項では、市が主語で義務者のようになっているが、そうではなく、市やコミュニティも含めた多様な主体の連携により推進していくものと考えられないのか。
○メンバー
- 上のように考えると、参加と協働は毛色の違うものであるので、章立てを分けたほうがわかりやすいかもしれない。
- しかし、コミュニティの問題とは別にして考えたい。
- また、協働については市行政だけが義務者ではない。骨子案でもそうなっている。