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冬の楽しみ方(小平市の昔話)

更新日: 2024年(令和6年)1月1日  作成部署:企画政策部 秘書広報課

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冬の楽しみ方ちょっと昔のお話を紹介します。

凧(たこ)あげ

凧あげ

凧あげというと、今はお正月の遊びだけど、昔は冬になると、子どもたちは凧あげをして遊んだものよ。

凧あげをするには広い場所が必要でしょ。春の種まきまでは畑が空くから、そこで凧あげができたの。
凧は買うこともあったんだけど、自分で作ることも多かったのよ。
どこの家にも竹やぶがあったから、そこから竹を取ってきて、割って削り、竹ひごを作るの。それで凧の骨組みを作って、和紙をのりで貼るのよ。
凧の足には、紙だと弱いから、縄をつけたり、布をたたいて、柔らかくしたものを、使ったりもしたのね。

凧が出来上がると畑に持って行って凧を上げるんだけど、昔は、建物がないし、冬場はいつも強い北風が吹いているから、凧がぐんぐんと上がるのよ。

空高く上がって、凧が小さな点ぐらいの大きさに見えるぐらいになると、そこらへんにある棒や木に縛りつけてしまうの。
するとそのまま、ずっと凧を上がりっぱなしにしておけるの。
朝に上げた凧を、夕方におろしたこともあったのよ。
凧は子どもだけじゃなくて、凧好きな大人たちも遊んだわ。
畳(たたみ)一枚ほどもある大きな凧を作ってね。
とても一人じゃ上げられないから、何人かで協力して凧を上げたのよ。

お正月のかるた会

かるた会

昭和の初めごろのお正月には、若い人たちの間で、小倉百人一首を使ったかるた会が、すごくはやったのね。

百人一首のかるたは、読み札(ふだ)と取り札があって、読み札は和歌の句と、その和歌を詠(よ)んだ人の絵、取り札は、和歌の下(しも)の句の文字だけが書いてあるの。
和歌を覚えていないと下の句の取り札がとれないから、お正月が近づくと毎晩のように、兄弟姉妹で一生懸命、百人一首の和歌を覚えたのよ。

今は一月も七日を過ぎれば、お正月気分がかなり薄れるけど、昔は、一月十五日を小正月と言ってね、一月一日から小正月までは、お正月だったの。

それで、小正月の十五日までは、あっちの家で、こっちの家でと、みんなで集まって、何回もかるた会をやったのね。
行くときには、みんな早めに夕食を済ませて、兄弟や近所の友だちも誘って、一緒に行ったのよ。
かるた会では、源平(げんぺい)といって、源氏(げんじ)と平家(へいけ)の二組に分かれて、取り札の数で勝ち負けを競ったり、百枚の取り札を全部ちらして、まわりをみんなで取り囲んで、取りっこをしたりと、そのときによって、いろんな遊び方をしたのよ。取るのが上手な人は、読み手が上(かみ)の句の最初の一文字を読んだとたん、さっと下の句の札を取るのよ。よく覚えている札でも、なかなか取れなかったわね。
夜遅くまでやっていたから、かるた会をする家では、甘酒やおしるこを作ってくれたり、みかんやお菓子を用意してくれたりと、親たちもみんなが来るのを楽しみにして、協力してくれたの。
帰りは、夜中の十二時過ぎになったわね。

朴歯の下駄
今のように、夜遅くに出歩くことはほとんどなかったから、それもお正月の特別なことで楽しかったのよ。男の人は、朴歯(ほおば)の下駄(げた)といって、そのころ若い人の間ではやっていた高い下駄を、寒いのにわざわざ素足で履いて、カランカランと音を立てて歩いて帰るのよ。
それでみんなで「伊達(だて)の素足(すあし)」と言って、からかうのも楽しかったのね。

 

 

裁縫教室

裁縫教室

十二月から三月までの農作業が暇になる農閑期に、小学校の裁縫室を借りて、十代の若い女性のための裁縫教室があったの。

裁縫室は二十畳以上もある広さだったから、四十人ぐらいの人が通ってきていたね。
今は、義務教育は小学校六年、中学校三年の九年間だけど、このころは六年間しかなかったの。

補習教室と言ってたんだけど、朝は、小学校が始まる時間から、午後は三時ごろまで、教えてもらったの。

夏向きの一枚仕立ての単衣(ひとえ)の着物から、冬用の裏表二枚仕立ての袷(あわせ)の着物、羽織、袴まで、一とおりの着物の縫い方を教えてもらったね。
そのころは着物が日常着だったから、それぞれの家で反物から縫うのが普通だったのよ。
農閑期だけだけど、三年間通うと、卒業したの。
卒業して研究生になる人もいて、新しく来た人たちにも、教えてくれたのよ。
裁縫教室での休み時間に、時には、みんなで百人一首やピンポンをやることもあったのよ。
そういう楽しみがあったから、縫いかけの着物などの材料や、裁縫道具一式を入れた大きな風呂敷包みを抱えて行くのも、嫌じゃなかったわね。
縫いあげた着物を、小学校の学芸会のときに飾って、来た人に見てもらうのも、うれしかったよ。
それから、裁縫だけではなくて、ときどき料理教室が開かれることもあったの。
立川の料亭から、料理を教えてくれる先生が来てくれたのね。
その当時は、家庭の料理というと、野菜の煮物が多かったから、トンカツ、ライスカレー、コロッケ、天丼、天ぷら、サラダなどのそれまで作ったことのない料理を習って、すごく楽しかったのを覚えているわ。
家で作ったら、すごいごちそうだって、家族がみんな、とても喜んでくれたのよ。

 

(注)市報こだいら2024年1月1日号から抜粋。

市報こだいら2024年1月1日号 こだいらちょっとむかし(PDF 1.9MB)

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