小平市役所
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〒187-8701 東京都小平市小川町2-1333
代表 042-341-1211
市報こだいら1面の記事を抜粋して掲載します。
かつて、小平で収穫される主要作物のひとつに、麦がありました。
秋に麦の種まき(麦まき)を終える日は、一年の農作業の節目として農家の人々にとって特別な日でした。
麦づくりが盛んだったころの様子と、麦まきを終えた日に農家で行われていた習慣を紹介します。
昭和初期ごろまで、小平は畑が広がる農村地帯で、多くの農家で麦を作っていました。
麦は、10月中旬から11月中旬ごろまでに種をまき、翌年の梅雨前の5月下旬から6月上旬ごろに収穫をします。
麦が収穫できる時期を麦秋と呼び、この時期の小平は、黄金色をした麦畑が広がっていました。
麦は、農家にとって貴重な収入源であり、当時のご馳走であったうどんの原料でもあります。
うどんは、来客へのもてなしや、行事に欠かせないため、うどんを作る分の小麦はどの農家でも作っていました。
昭和30年代ごろから、麦価の低下により作物がうどや果物に変わっていきました。
また、畑の宅地化も進み市内で麦を作る農家はとても少なくなりました。
代々、小川町で農家をしている立川さんの畑では、現在も麦を作っていて、小平ふるさと村の催しで販売する糧うどんなどに使われています。
現在作っている小麦は「さとのそら」という品種です。
作った麦は、うどん打ちなどで使う小麦粉になる以外にも、学校の教育用で育てる麦の種や、お盆に小川寺の迎え火で使うたいまつのわらなどにも使われています。
立川栄さん
10月から11月は、さつまいもなどの作物の収穫と麦まきが重なる時期でした。
麦はさつまいも収穫後の畑に作るため、さつまいものつるや根が土に多く残り、畑を耕すと、くわにつるが絡んだりと、麦まきの準備には時間がかかりました。
寒い時期に麦をまくと実の入りが悪くなり、この時期は日を追って寒くなるため、麦まきは時間との戦いでした。
このため、農家の人々は麦まきが終わる日まで朝早くから農作業をしていました。
こうした忙しい日々の最後の日、麦まきを終えた日にはみなで労をねぎらい、当時のご馳走であったうどんを作って食べました。
麦作をする農家が少なくなった現在、こうした習慣はだんだんと無くなっています。
昔、麦まきをしていると別の農家さんから「そろそろ麦まき締まいできそうかい、うちは今日だよ。家に帰ってうどん食べるよ」と声をかけあって麦まきを終える日を楽しみにしていました。
収穫への感謝や豊作への願いをこめてうどんを食べていました。
立川ウメさん
麦畑では、サツマイモも一緒に作っていました。
サツマイモは、5月に麦の間に苗を植えて10月に収穫をします。
畑の土をフカフカになるまで耕し、肥料をまいて麦をまくため、作業はとても労力がかかりました
人々が集まって会食や余興を行った日待ちの行事を再現して、手打ちうどんの実演・試食、水車を使った製粉作業、紙芝居の実演をします。
(注) うどんの数に限りがあります。
とき
11月17日(土曜) 午前11時から午後2時まで 小雨決行
(注) 雨天の場合は、18日(日曜)に順延。
主催
武蔵野手打ちうどん保存普及会、小平市文化振興財団
問合せ
小平ふるさと村電話042(345)8155