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市報こだいら:2020年2月5日号 2面(抜粋記事)

更新日: 2020年(令和2年)2月5日  作成部署:企画政策部 秘書広報課

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市報こだいら2面の記事を抜粋して掲載します。

小平ゆかりの彫刻家 齋藤素巖

齋藤素巖は、大正から昭和にかけて活躍した彫刻家です。
素巖がたどってきた彫刻家としての人生と、小平との関わりを紹介します。

齋藤素巖(1889年~1974年)

さいとうそがん。彫刻家。本名は齋藤知雄(ともお)。大正15年に彫刻家団体の構造社を設立する。昭和18年に小平市学園東町に転居し、亡くなるまでの約31年間を小平で過ごす。昭和5年に兜町株式取引所ビルに設置された、商業・農業・工業・交通(昭和63年のビル解体とともに取り壊される)や、兵庫県湊川公園の大楠公像、東京・赤坂の高橋公園にある高橋是清翁像が代表作として知られている。

彫刻と歩んだ人生

齋藤素巖は、1889(明治22)年に現在の東京都新宿区で生まれました。
はじめは、彫刻家を志していたものの、印刷局に勤め、洋画家としても活躍していた父の勧めで、1907(明治40)年に、東京美術学校(現在の東京芸術大学)西洋画科に入学しました。
しかし、卒業後も彫刻家の夢をあきらめきれなかった素巖は、1913(大正2)年にイギリスへ留学し、約2年間、ロンドンのロイヤル・アカデミーで彫刻を学びました。
27歳で帰国した後、人々の生活へ彫刻を溶け込ませたい、彫刻に親しみを持ってほしい、という熱意のもと、同世代の彫刻家たちと1926(大正15)年に構造社を設立します。
構造社は、彫刻と建築を融合した作品の制作で注目を集めました。
また、一般の人にも身近なメダルや装身具などの装飾などさまざまなジャンルに彫刻の表現を取り入れるなど、彫刻が親しまれるような試みを行ないました。
その後、素巖は明治末期から太平洋戦争前まで国が主催していた文部省の美術展覧会にも作品を出品し、数々の賞を受賞して、彫刻家として高い評価を受けました。
戦時中の1943(昭和18)年に小平市学園東町に転居した素巖は、アトリエのある自宅で創作活動を続けました。
戦後も、日本美術展覧会(日展)や日本彫刻会展覧会(日彫展)などの展覧会へ作品を出品し、晩年まで制作意欲が衰えることはありませんでした。
ほかにも日展顧問、日本彫塑会名誉副会長などの要職を歴任するなど、彫刻の普及に最後まで取り組み続けました。

狭山・境緑道に彫刻作品を

1974(昭和49)年2月、素巖は84歳で生涯を閉じました。
素巖の死去後、遺族から小平市へ約230点の石膏原型が寄贈されました。
これらの石膏原型から数十点がブロンズ鋳造され、一部は小平市役所やルネこだいらなどに設置されたものの、その他の鋳造された作品は設置場所が決まらず保管されたままになっていました。
平成16年度に、そのうちの16基17作品を狭山・境緑道に設置する計画が立てられます。
作品が設置される区間の愛称は、公募で、齋藤素巖彫刻の小径と名付けられました。
彫刻の小径の設置にあたり、武蔵野美術大学の協力を得て、当時学園東小学校に置かれていた石膏原型などの作品の調査が行われ、さらに、作品の選定や配置なども行われました。

平櫛田中に贈った彫刻作品

小平で生活を始めてから約27年後の1970(昭和45)年、彫刻家の平櫛田中が小平市へ引っ越してきました。
共に日展に関わり、面識があったことから、素巖は田中の引っ越し祝いに、「ようこそ小平にいらっしゃいました」との歓迎の言葉とともに、木の実という題の、自分のブロンズ作品を弟子に持たせて、田中のもとを訪ねたといいます。
同じ彫刻家とはいえ、塑像作家の素巖と木彫作家の田中とは彫刻のジャンルが異なるため、それほど多くの接点はなく、小平での二人の接点もそれが最初で最後でしたが、素巖から贈られた作品を田中はとても喜んで、大切に飾っていたといいます。作品は現在も、平櫛田中彫刻美術館に所蔵されています。

平櫛田中(1872年~1979年)

ひらくしでんちゅう。彫刻家。日本近代木彫界の巨匠として活躍。昭和45年に小平市に転入し、小平で過ごした住居は現在、美術館として公開されている。小平市名誉市民。

平櫛田中彫刻美術館

ところ
学園西町1-7-5

電話番号
042(341)0098

 

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2020年2月5日号 3面

2020年2月5日号 目次

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