小平市役所
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市報こだいら8面の記事を抜粋して掲載します。
今も昔も、お正月はこどもにとって楽しいものでした。今回は、昔のこどものお正月の過ごし方を紹介します。
昔はね、お正月は、こどもたちにとって、ふだん食べることができないお餅やごちそうがあるから、とっても楽しみだったの。
それから、いつもやっている家の手伝いもしなくていいので、うれしかったのね。
今は洋服やかばんなど、新しく買ってもらったら、すぐ着たり使ったりするでしょ。
昔は新しい着物や足袋、下駄などは、お正月におろしてもらうので、とても楽しみだったの。
そして元旦には新しい着物を着て、近くの神社に家族と一緒に初参りに行くのね。
友達やいとこたちも新しい着物を着て、よそゆきの格好をしていて、みんな、にこにこの顔をしているので、晴れがましい気持ちになったのよ。
参道にはあめや風船、甘いみそをつけたこんにゃくなど、いろいろ売っているので、買ってもらうのも楽しみだったよ。
それから小正月の十五日ぐらいまでは、獅子舞などが家々を毎年まわってきて、おもしろかったの。
獅子舞のお獅子に、頭をかんでもらうと厄除けになるっていうので、ちょっと怖かったけど、おそるおそる頭を近づけて、かんでもらったの。
今、思い出しても、こどものころのお正月は、懐かしく楽しかったよ。
お正月の外遊びといえば、羽根つき、たこ揚げ、コマ回しが思い出されるね。
たこ揚げやコマ回しは、冬になるとお正月じゃなくてもやってたんだけど、なぜか羽根つきだけは、お正月にならないと、やらなかったね。
羽子板と羽根は、おもちゃ屋や駄菓子屋で買うんだけど、お店にいつもあるわけじゃなくて、お正月近くなると売るようになるの。
だから、それを見ると「ああ、お正月がやってくるんだな」って、うれしくなったものよ。
羽根つきに使う羽子板は、細長い板で表には女の子の絵、裏には松竹梅なんかが描かれているの。
羽根はムクロジという固くて黒い木の実に、何枚かの羽がついていたんだけど、羽が赤や青、ピンクや緑、黄色に染められていてね。
羽子板も羽根も、自分の好きな絵や色を選ぶのが楽しかったよ。
羽子板で羽根をつくと、カーン、カーンっていい音がするの。
その音を聞くと「ああ、お正月だなあ」って思ったものよ。
羽根つきは、一人で何回つけるか数えたり、二人で羽根を打ち合ったりして遊んだね。
小学校低学年のうちは、あんまりうまくつけなくて、一人で遊ぶことが多いんだけど、高学年以上になると、二人で打ち合って遊んだね。
二人で打ち合って、羽根を落とした人が顔に墨をぬられるって聞いたことがあるけど、うちでは、お正月は新しい着物をきているから、墨で汚したら大変なので、そんなことはしなかったよ。
昔は、車がそんなに多くなかったから、羽根つきはよく道路でやっていたね。
それから、羽子板は飾り用のものもあるの。昔は女の子が生まれると、暮れにお嫁さんの実家や、結婚の仲立ちをしてくれた仲人さんの家から、羽子板が届くのよ。
これは大きくて、日本人形や歌舞伎の役者なんかが押絵になっていて、とてもきれいなの。
私は、この飾り用の羽子板で羽根つきをしたら上手に打てるかもと思って、こっそりと持ち出して羽根を打ったことがあるの。
ところが、上手に打てるどころか、重くて大きすぎてうまく打てなくて、押絵が取れかかって親に怒られてしまったんだよ。
やっぱり、そんなことはしてはいけないね。
こどもたちが五、六人集まると、かるたをするのが楽しみだったの。
いろはかるたといってね、いろはにほへとという四十八文字の、犬も歩けば棒に当たるとか、論より証拠、花より団子などと、言葉が書いてある文字の札と、絵が書いてある絵の札が四十八枚ずつあるの。
その絵が書いてある札を、座敷に、ばあっと散らすの。
みんな自分の好きな絵札がどこにあるか、しっかり見ておくの。
字の分からない小さな子は、絵を覚えておいたの。
字が読める大きな子が読み手になったのね。
絵札をたくさん取った子が勝ちになるので、「わあわあ」「きゃあきゃあ」言って、遊んだんだよ。
それから、すごろくもおもしろかったよ。
東海道五十三次っていうすごろくがあって、東京から出発して、東海道を通って、京都まで行くんだけど。
みかんの皮をちぎったり、紙を小さく切って、自分のコマにするのね。
じゃんけんで順番を決めてからサイコロをころがして、サイコロに出た数だけコマを進めるの。
宿が書いてあるところに当たると、宿で一晩どまりといって、順番が来ても一回休みなの。
大井川の川止めというところに行くと、何回か休みになるし、行き止まりというところもあって、最後の最後まで上がる順番が分からないの。
だから、京都まで行くのが大変で、大騒ぎをして、遊んだことを覚えているね。
早く上がると、遊んでいる家でみかんやお菓子の景品をくれたんだよ。
タマおばあさんのお話はいかがでしたか。
では、またお会いしましょう。
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